ボトルブラシのフラワーエッセンス

毎年、今頃の季節になるとオーストラリアブッシュフラワーエッセンスの「ボトルブラシ」のエッセンスを手に取りたくなります。

初めてボトルブラシの花を見たときは、その名の通りボトルを洗うブラシのような不思議な形と目が覚めるような赤色に目が釘付けになりました。

 

自然界にとって春は、これまでに蒔かれた種が一斉に芽吹く季節です。

私たち人間にとっても春は、入学・進学・就職・引越しなど、さまざまな「はじまり」が芽吹く季節になります。

一年で最も寒いとされる2月は、その「はじまり」に向けての準備が着々と進められる時期です。

 

新しい何かを始めるとき、新しいことに挑戦するとき、不安や恐れの感情はだれもが感じるものです。

ボトルブラシのフラワーエッセンスには、過去をぬぐい去り、新しい状況や経験に向けて前進させてくれる効果があります。*①

ブラシでボトルの汚れをきれいに擦り落とすように、不安や恐れでいっぱいの私たちの心の詰まりもきれいに落とし、明るい気持ちで「はじまり」を受け入れられるように整えてくれるエッセンスです。

 

また、このエッセンスには母親と子供の絆を強化する効果もあります。妊婦さんや母親の役を上手くこなせていないと感じるお母さんにも最適のエッセンスです。*②

 

私が初めて出産を経験した時、まだフラワーエッセンスの存在を知りませんでした。

生まれたばかりのわが子を初めて胸に抱いたとき、「だれかを心から愛するとはこういう気持ちなのか」と胸を打たれたことを覚えています。

「お母さんは、こんなに怖がりじゃなかったんだけどねえ」

お腹に向かって語りかける。まだ顔も見ない子どものことでこんなにも自分が変わってしまうなんて、不思議で仕方ない。

 

「あなたのしあわせを、今から考えすぎてしまうのよねえ」

疵ひとつないしあわせを、あなたに。そう願って、神経質になってしまうのだ。*③

 

 

産後5日間の入院中は、産婦人科の看護師さんたちがわからないことだらけの私に赤ちゃんのお世話の仕方を教えてくれました。なにひとつ上手くできずにオロオロしている私を、あたたかく励ましてくれました。

 

けれども退院して自宅に戻ると、一日のほとんどの時間を私と赤ちゃんだけで過ごす毎日が始まりました。

 

「本当にこれで合ってるのかな」と毎日不安で、

「どうしよう!またミルクを吐いちゃった」とオロオロし、

「この子を泣かせたくない」と赤ちゃんが泣けば駆けつけ、

ミルクを飲んだ時間と量や、おむつを替えた時間を毎日ノートに記録し、

「私は上手くこの子の『お母さん』をできていない」と涙していました。

 

「肝っ玉かあちゃん」とは程遠い、あの頃の自分を今なら笑って話せますが、当時はただただ必死でした。

きっと産後うつの状態で、ボトルブラシのフラワーエッセンスがあれば、あんなに自分で自分を追い込まずに、もっとおおらかな気持ちで赤ちゃんとの時間を楽しめていたのではないかと思います。

 

『疵ひとつないしあわせを、あなたに。』 どうしようもなく愛しいあなたに対して、それは私の心からの願いでした。

 

先日、ママ友からLINEが送られてきました。

「写真を整理していたら、かわいい写真が出てきたよ。」というメッセージと共に、お互いの子供たちが無邪気に笑っている幼い頃の写真がありました。

「みんなあっという間に大きくなっちゃったね・・・・」

続く、彼女からのメッセージに、なぜだか胸が苦しくなりました。

 

『疵ひとつないしあわせを、あなたに。』

 

あっという間に過ぎてしまったこれまでに、あなたの『しあわせ』を私はどれだけ守れたのでしょうか。

 

成長とともに色々なことが複雑になっていきます。

それが人生というもので、時には避けられない「痛み」があるということも、親が守りきることができない「しあわせ」があるということも十分理解しているはずなのに。

それでも心のどこかで『疵ひとつない、あなたのしあわせ』を諦めることができない私は、今でもまだ「ボトルブラシ」のフラワーエッセンスが必要なのだと思います。

 


引用:

*① *②

2004年 フレグランスジャーナル社 イアン・ホワイト

「オーストラリア・ブッシュ・フラワーエッセンス」 79ページ

*③

2019年 株式会社東京創元社 町田そのこ

「うつくしが丘の不幸の家」 ページ251/260

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