言葉を使って創り出す
人はだれもが長い人生のなかで、見る目がない人たちの群れに放り込まれることがあります。
保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校、会社。
人はなぜだか一度だけ「合わない場所」を経験するようです。
その人が自分の「際立つ長所」に気づくための時間です。
「周囲と合わない」という経験から、自分がアヒルではなく白鳥だと気がつきます。
もし、お子さんが周囲と合わなくて苦しそうならば、そんなことを話してあげてください。
「みんなより少し先に大人になったのかもしれない」「いつかきっとあなたに合う友だちに絶対会えるよ」と繰り返し伝えてあげましょう。
親は強くやさしく賢く忍耐強く見守るしかありませんが、まだ見ぬ未来を楽しみにしていてください。
かならずお子さんに合ったやさしい仲間と美しい場所が用意されていますから。*1
小学生の高学年の頃、運動系の習い事を始めました。
母に連れられて見学に行き、「やってみたい?」と訊かれたので「まあ、やってみてもいいかな」と深く考えずに返事をしたのがはじまりでした。
虚弱体質だった私が、運動をすることで少しは体が強くなるのではないかと考えた母は、習い事の候補をいくつか考えたそうです。
そして、私がひとりでバスを使って通っても差しさわりのない場所にちょうどあった事から、この習い事に決めたと話していました。
今は昔ほどではないようですが、私が子供の頃、この習い事は何かとお金がかかるものでした。
そのため教室には、子供の目から見ても明らかに「経済的にとても裕福な家庭の子供たち」ばかりがいました。
その中になぜか紛れ込んでしまった「ただの庶民の子」である私は、自分がこのグループに属さない異分子であることをひしひしと感じていました。
「なんだか想像以上の世界だね」と母も困惑を隠せないようでしたが、とりあえずしばらく続けてみることになりました。
この習い事の世界やここに集まる人たちが良いとか悪いとかではなく、ただ私が馴染んでいた世界とはまったく違っていたのです。
毎日通う公立の学校や友達の中で私は他の子と「同じ」でいられましたが、ひとたびこの習い事の教室に足を踏み入れると、私はまったくの「異分子」でした。
まだ子供だった私はこのギャップに上手く対応することができず、ひとりでバスに乗って教室に通っていると、まるで違う世界にワープをしているような感覚を覚える日もありました。
「経済格差」が作り出す階級の違いによる苦痛が日に日に増していき、教室に続いている螺旋階段を上り始めると心臓がバクバクと早いスピードで打ち始めるようになりました。
もうやめたいと言えば、きっと母はいいよと承諾してくれたと思います。
けれどもそうしなかったのは、意外にもこの習い事が楽しかったからです。
上手くできるようになりたいと思いました。
上手な子たちの動きを観察して真似をしたり、家に帰っても練習をするなど、気づいたら夢中になっていました。
そのため、この教室には上達するために通っているのであって、ここで友達を作る必要はないと、いつの頃から割り切って考えるようになっていました。
実際、友達もまったくできませんでした。
自分とは全く違う世界の「合わない場所」
ここで私が見つけたものは夢中になれるものでした。
だからどんな場所にも、そこに自分がいる意味が必ずあるのだと思います。
みうらクリニックの院長である三浦先生のお話がとても印象的でした。
「なんでもね、思ったもん勝ちだよ」
そう語る先生は、クリニックの入り口を『入ったら、病気になる前よりももっと幸せになる扉』だと決めているそうです。
ほかにも『みんなが元気になる電灯』や『この椅子に座ったら元気になる』など、「勝手に決めちゃうんですよ」とお話しされていました。*2
私たちはたとえそれが意識的であろうと、無意識的であろうと、自分が思っている以上に人や物や場所に「こういうものだ」とレッテルを貼っているようです。
私たちが家族に見せる顔と職場や学校で見せる顔が全くの同一ではないように、ひとりの人の中にはさまざまな側面があります。
相手が持ち合わせているさまざまな可能性の中から、どのような側面と関わりたいのか、自分が先に決めることで「望ましい関係」に感情を合わせることができると思います。
私は子供の頃、習い事の教室を『友だちを作る場所ではない』と決め、自分には『異分子』というレッテルを貼りました。
もし、もっと違うタイトルや名前を付けていれば、違う現実を経験できたのではないかと思います。
自分の人生を創り出しているのは自分の言葉だと言います。
使う言葉やレッテルを変えることで、意図して望む現実を創造できるようにフラワーエッセンスを使ってみてはいかかがでしょうか。
いつの間にか作ってしまっていた自分の枠や思い込みに気づき、それを手放すことを助けてくれます。新たなセルフイメージを作ることができるようになります。
具現化したいものへの意図と注意にフォーカスすることを助けてくれるエッセンスです。人生で『望むもの』、『必要なもの』、『願うもの』を作り上げることを助けてくれます。
引用:
*1 2022年 すみれ書房株式会社 加茂谷真紀
『愛のエネルギー家事 生活と気持ちが明るくなる、小さな提案集 すてきメモ303選』
115ページ
参考: