色の世界
「ねえ、心理テストです。何色が好き?」
唐突に言われて、ラルフさんは戸惑いました。しかし、ふわりと鼻をくすぐるスイートな香りに引き寄せられるように、「オレンジ」と答えていました。
「どうして?」
小首をかしげるシンディのかわいらしいことと言ったら。ラルフさんもつられて笑顔になり、続けました。
「楽しい色だから。赤ほど自己主張が強くないし、黄色ほど奇抜じゃない。人を明るく迎え入れて、元気で愉快な気持ちにさせてくれるから」
シンディは一瞬、まばたきしたあと、「ええ、そうね」とほほえみました。
「これはね、『なりたい自分』なんですって。何色を選んだのかということよりも、その理由のほうに解答があるの。ねえ、ラルフ。今あなたが言ったオレンジ、『なりたい』っていうより、まさにあなたそのものね」*1
小学4年生くらいの頃のことだったと思います。
なぜだかとても緑色に惹かれていた時期がありました。
文房具や小物など、自分のお小遣いで買える物だけでは物足りなくなり、時々買ってもらえる洋服も緑色のものを選ぶようになりました。
たくさんある緑色の中でも、くすんだものよりも鮮やかな緑色を好み、トレーナーやスカートやハイソックスなどを着々と買い揃えていきました。
ある日、家族で出かける用事があったので、ついに買ってもらった服を着られる時が来たと、全身を緑色でコーディネイトしました。
上から下まで真緑の私の姿を見た母はぎょっとしながら「まさかその恰好で出かけるの?」と訊いてきました。
「そう。学校じゃないからいいでしょ」と私が答えると、「学校じゃなくてもダメに決まっているでしょう。普通の服に着替えてきなさい」と母は言いました。
今なら私も母と同じように止めたと思うのですが、当時の私は自分でも理由が分からないまま、緑色を渇望していました。
その日は、ブーブー文句を言いながらも結局着替えたのですが、それからしばらくの間、家の中で過ごす時は全身緑色の服を着て過ごしていました。
どうしてそんなに緑色にこだわるの?
家族にそう尋ねられても、自分でもよく理解できない気持ちを言語化することなどできる訳もなく、ただ「なんとなく」としか答えることが出来ませんでした。
大学で出会った日本人の男の子は、「青色の世界」で暮らしていました。
オリエンテーションで初めて彼を見かけた時、それぞれの色合いは違えど、全身青の洋服を着ていて、青色のバックパック、青色の靴を身に着けていました。
「ほら いたじゃない、私みたいな子が。この子は私とは比べものにならないくらい堂々としているけど」と、その子を見た時思いました。
当時はもう全身緑色で家の中を過ごすことはなくなっていましたが、特定の色の世界の中で暮らしたいと思う人が自分以外にもいたことを嬉しく感じました。
ハリー・ポッターのようなイギリス英語を話す彼は、高校時代をイギリスで過ごし、どんよりとした天気に耐えられなくなり、大学はカリフォルニアを選んだと話していました。
友達と一緒に、彼が暮らすアパートに遊びに行くと、私たちの期待を裏切ることなく、部屋中がさまざまな種類の青色で溢れかえっていて、世の中には色んな人がいるもんだなと思いました。
フラワーエッセンスを選ぶ時に、エッセンスの花の写真を見て自分がどう感じるかという事は、選ぶ際の指標のひとつとなります。
なぜだかすごく惹かれる花は、その時自分が必要としている癒しの波動を必ず持っているからです。
花や植物だけでなく色にも固有の波動があり、特定の色に惹かれるという時は、その色が好きだからという理由とともに、その色が持つ波動を必要としているのだと思います。
アラレタマエッセンスには、フラワーエッセンスと色とアロマにより作られたコンビネーションボトルがあります。
全部で8種類あるボトルには、それぞれ3種類のフラワーエッセンスと、カラーセラピーと関連があるオイルと、アロマオイルが含まれており、調和をとる必要がある周波数に対応するように働いてくれます。
イエロー
自信を与え、感情が豊かになります。不安や罪悪感を取り除き、あなたのパワーを強めて輝かせます。
オレンジ
情熱をもたらし官能性を高めます。肉体や精神の疲労を防ぎバランスのとれた方法で抑圧状態を解き放ちます。
ピンク
無条件の愛、慈悲、感謝、許し、無邪気さ。分かち合い、共存関係に。投げ出してしまいたい気持ちを愛情に変えます。
レッド
活力、想像力、強さ、勇気、忍耐をもたらします。無関心さ、性的エネルギーの枯渇に変化をもたらします。
ブルー
調和、落ち着き、平安。シンクロニシティに気付けるようになります。心身がリラックスします。
グリーン
散漫な思考に調和と集中力をもたらします。何かに取り組んでいる時に生産的で明晰になれます。疲れた足にも良く効きます。無気力な時に行動できるようになります。
ヴァイオレット
守られている感覚。霊的な目的とのつながり。有害な環境からの感情的消耗、神経衰弱からの保護。
ホワイト
変容、変化、開かれた心。思考や態度から古いパターンを浄化し新しいアイデアを受け入れる。幸福感を高める。*2
引用:
*1 2020年 株式会社宝島社 青山美智子
「木曜日にはココアを」位置No.1125/1680~No.1137/1680
*2 2021年 ネイチャーワールド株式会社
「大自然からの贈り物 こころと体を癒す世界のフラワーエッセンス」441~442ページ