子供のためのフラワーエッセンス

オーストラリアブッシュフラワーエッセンスの創始者であるイアン・ホワイト氏は、何年にも渡ってブラジルの孤児院にフラワーエッセンスを寄付しています。

孤児院にフラワーエッセンスのプラクティショナーがいる場合は、子供達それぞれに必要なエッセンスを選んで処方するそうです。

プラクティショナーがいない場合は、フラワーエッセンスの知識がある孤児院のスタッフが子供達の食事やおやつにフラワーエッセンスを入れます。

フラワーエッセンスを取り入れることは子供たちに良い影響を与え続け、肺炎にかかる子供たちも減少したそうです。

 

孤児院でよく使われるオーストラリアブッシュフラワーエッセンスは4種類あります。

ボトルブラシレッドヘルメットオーキッドは、母親と子供、または父親と子供の繋がりを強めるために使用されます。

トールイエロートップは見捨てられた悲しみを癒すために。

スタートデザートピーは愛情をかけて育ててくれる親がいないことに対する深い悲しみを和らげるために選ばれます。

 

養子縁組が成立し、たとえ愛情深い親のもとに引き取られる場合であっても、子供たちは上記のエッセンスを摂ることが望ましいそうです。

なぜなら、実の親から育ててもらえなかったという事実は子供たちの心に大きな傷を残し、この心の傷が適切に癒されない場合、ティーンエイジャーになった時に大変になる場合が多いからです。

 

ブラジルには『赤ちゃんの家』と呼ばれる02歳の乳幼児のためのシェルターがあります。

ブラジルでは公共の場に放置され、保護者が見つからない子供は置き去りにされたと見なされ保護されます。

また、同居している親から身体的・精神的に虐待をされたり、ネグレクトに苦しんでいる子供たちも保護され、この乳幼児のためのシェルターに滞在します。

このシェルターは養子縁組や親のもとに戻るなどの法的な手続きが全て完了するまで子供たちが暮らす場所となり、2歳を超えても手続きが完了しなければ、最長二年間滞在することができます。

 

フラワーエッセンスセラピストであるスザナ・ロレートさんはこのシェルターでボランティア活動を始めました。

このシェルターで過ごしている子供たちをみて、抱きしめてもらう温もりや愛情が大幅に不足していることに気づいた彼女は、子供たちを助けるためにフラワーエッセンスを使うことを考えたそうです。

 

スザナさんはまず、子供たちがお風呂のあとに使うラベンダー水にフラワーエッセンスを入れることから始めました。

02歳という人生でのはじめての二年間に、親から拒絶され育児を放棄されたことにより子供たちは身体的・精神的に傷を受けています。

この傷が健康的に成長することの妨げになっていることに気づいたスザナさんは、子供たちが「生きたい」という欲求を再び目覚めさせるために8種類のフラワーエッセンスを選びました。

 

それから様子を見ながらブレンドするフラワーエッセンスを変え、下記のようなさまざまな方法でフラワーエッセンスを取り入れていったそうです。

 

・加湿器にフラワーエッセンスを入れる

・スプレーボトルを使って、エッセンスを頭上から子供たちにふりかける

 (子供たちはこれが大好きで、スザナさんが止めると文句を言ったそうです。)

・フラワーエッセンスを入れたボディクリームを作り、子供たちに塗る

・粉ミルクやジュースを作る時に使われる水にフラワーエッセンスを入れる

 

その後、スポイトを使って、子供たちが口からフラワーエッセンスを摂る方法も始めたそうです。

しかし、「スポイトに触れてはダメ」と注意すると、子供たちは注意を引くためにわざとスポイトに触れるため、スプレーボトルにフラワーエッセンスを入れて、子供たちに口を開けてもらい、舌にエッセンスをスプレーする方法に変更されました。

子供たちは、スザナさんがシェルターに到着するとフラワーエッセンスを口にスプレーして欲しいと集まるようになり、まだ上手く言葉が話せない幼い子供たちは、口を開けてエッセンスを待つようになったそうです。

 

フラワーエッセンスを使い始めるまでは、ゲームをしたり音楽を使って子供たちに働きかけようとしても、みんながスザナさんの膝の上に座りたがって上手くできなかったそうです。

また、手を繋いで輪になって遊ぼうとしても、子供たちがスザナさんとだけ手を繋ぎたがり、輪を作ることができませんでした。

クレヨンを持ってきて絵を描くことを促しても、ほかの子供よりもたくさんのクレヨンを持とうとしたり、クレヨンを噛んだりして、どの子も絵を描く段階まで進みませんでした。

子供たちは「危ないよ」と注意されることをすることで大人の注意を引こうとし、「ダメだよ」という言葉を受け入れることがなかなか出来ずにいました。

また、具合が悪くなるまで大量に食べ物を食べる子供もいたそうです。

 

スザナさんがシェルターでフラワーエッセンスを取り入れるようになって2週間頃から、徐々に変化が見え始めました。

例えば、絵本を読んでもらう時に、歩き回らずに座っていられるようになったり、子供たちが自分たちだけでゲームを始め、楽しむようになりました。

また、シェルターでフラワーエッセンスを使うようになってから、手伝いを申し出る人や寄付が増えたり、新しいボランティアのスタッフが増えるなど、物事の流れがスムーズになっていたそうです。

 

その後もさらに長い期間フラワーエッセンスを使い続けることで、下記のような変化が子供たちにみられるようになりました。

 

・シェルターのスタッフと話す時、目をそらしていた4歳の子が目を合わせて話しができるようになった

・自分の不安を落ち着かせるために体を前後に揺らし続けることが軽減した

・二歳半まで言葉を話さなかった子が話すようになった

・スタッフの膝の上に座らずに、ゲームや音楽を通して学ぶことに興味を示すようになった

・病気になる頻度が減り、皮膚に関するトラブルが軽減した

 

皮膚は体の排出器官のひとつ。本来ならば皮膚からもスムーズに毒素が排出されています。でもそれが滞ったり、肝臓や腎臓、腸で排出されるべき毒素があふれ、肌に到達してしまっていると、湿疹や炎症など皮膚のトラブルとなって現れます。

 

心と体は繋がっていて、体の特定の部分には、特定の感情が繋がっていると言われています。

例えば肝臓は怒り、腎臓は恐れ、肺は悲しみなどです。

シェルターの子供たちがフラワーエッセンスを取り続けることで皮膚に関するトラブルが軽減したことは興味深く感じました。

肝臓や腎臓、腸で排出されるべき毒素が上手く排出されないことが皮膚のトラブルの原因のひとつであるのならば、きっとこれらの臓器と繋がっているネガティブな感情がフラワーエッセンスを摂ることで癒され、肌まで到達することがなくなったからではないかと思いました。

 

孤児院で使われたFESフラワーエッセンスをいくつか紹介します。

 

マリポサリリー

虐待や育児放棄などにより、母親から愛情やぬくもりを受け取れずに傷ついている子供のために

 

イヴニングプリムローズ

無意識の深いレベルに刻み込まれた大きな痛みと拒絶感のために

 

 

ホリー

嫉妬・妬み・怒りなどの感情が和らぎ、愛は無限に存在しているということを理解できるように

 

カモミール

緊張や苛立ち、不眠症を和らげるために

 

アルニカ

別離のトラウマを和らげるために

 

ガーリック

恐れや不安が和らぎ、強さや活力を取り戻すために

 

ブリーディングハート

激しい痛みや傷心が癒され、ハートを開いて他者を愛することができるように

 


参考:

* Australian Bush Flower Essences

https://us14.campaign-archive.com/?u=41126cb81e35665600af17d2c&id=604063dbfe&e=841e44d191

* Flower Essence Society

http://www.flowersociety.org/loreto-report.html#about

引用:

2022年 株式会社グラフィック社 梅屋香織

「ハーブではじめる植物療法の手引き」 140ページ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です