人と動物と地球と

11月の寒空からしとしとと雨が降っていた朝、当時私が一人暮らしをしていたアパートの玄関庇の上に、黒猫が丸くなって座っていました。

その黒猫はなぜかそこから何日も動かず、日に日にやつれていくので、見かねて冷蔵庫にあったハムをあげみると、あっという間に食べてしまいました。

薄汚れた首輪をしていたのですが、連絡先が書かれたタグもなく、小さい頃に付けられた物なのか、首輪がキツく首を締めていました。

その様子から、もしかしたら小さい頃に迷子になって家に帰れなくなり、そのまま野良猫になってしまったのかもしれないと思いました。

 

そのうち、その黒猫はうちで暮らすようになりました。

黒猫なので、ジジと名づけました。

 

それまで猫と暮らしたことがなかったので少し不安はありましたが、ジジはとても優しい子でした。

私が悲しい話が書かれてある本を読みながら泣いていると、ニャーと心配そうに近づいて来て、頭や体をこすりつけながら慰めようとしてくれました。

 

私がお母さんになり、初めて赤ちゃんを家に連れて帰った日のことです。

赤ちゃんを抱いてソファーに座り、ジジに赤ちゃんを紹介しました。

ジジは赤ちゃんの匂いをクンクンと嗅ぐと、少し目を細めながら私の顔を見ました。

あの時ジジが私に何を語っていたのは分かりません。

けれどもジジは赤ちゃんが泣くと、まるで「大変!大変!」と言っているかのように、私と一緒に急いで赤ちゃんのもとに駆けつけるようになりました。

赤ちゃんが泣き止んで眠りにつくと、「やれやれ、大変だったね」と言っているかのようにニャーと言いながら、ソファーに座っている私の隣に飛び乗り、毛づくろいをしたり、丸くなって寝たりしていました。

 

赤ちゃんが少し大きくなると、ジジはしっぽを掴まれたり、ヒゲを引っ張られたりしましたが、決して怒らずじっと我慢するか、前足で優しく赤ちゃんの手を触って、やめてと注意をしていました。

 

ただひとつ、ジジに関して困っていたのは、食卓の食べ物を自分も食べようと狙っていたことでした。

唐揚げや焼き魚の時など、ちょっと目を離した隙に奪おうとするので「こらっ!」と言うと、ジジは怒られる度にそっと目を閉じていました。

最初は怒られたのが怖くて目を閉じているのかなと思っていました。

それにしてもゆっくり目を閉じるなと不思議に思っていると、ひとつの考えが思いつきました。

 

もしかして、自分の姿を消しているつもりなの?

自分が目を閉じて相手が見えなくなったら、相手からも自分が見えなくなると思っているの?

 

実際のところ真相はどうなのか分かりませんが、ジジが隠れ身の術をしていると考えるととても心がなごみました。

 

ジジと一緒に暮らし始めて12年が過ぎた頃、ジジはおじいちゃん猫になっていました。

寝ている時間が長くなり、食卓の食べ物を狙うこともなくなってしまいました。

優しくて、忍耐強くて、思いやりがあって、隠れ身の術ができた彼は、家族みんなに最期を見届けられながらこの世を去りました。

 

動物の命について考えるようになったのは、『わたしが幸せになるまで 豊かな人生の見つけ方』という一冊の本がきっかけでした。

吉川ひなのさんの著書で、彼女のオーガニックなライフスタイルや価値観や人生観からは学ぶことが多くありました。

その中でも家畜として飼育されている動物たちのあまりにも残酷な事実にはとてもショックを受けました。

 

人間から家族として共に暮らすことを許されている動物と、家畜として飼育される動物。

動物たちの命の重さに違いはないはずなのに、どちら側に生まれるかによってどのような一生を過ごすのか、その差はあまりにも違いすぎました。

 

私は肉や魚を食べる家庭で育ちました。

頂いている命に感謝の念を忘れずに、いただきますと手を合わせ、無駄にすることが無いようにきちんと食べる。

小さい頃からそう教わり、そういうものだと信じてましたが、はたしてそれが本当に正しいことなのだろうかと初めて疑問を抱くようになりました。

 

オーガニックであったり、地球や環境に優しい基準で作られた商品は価格が高めです。

そのため、そのような商品を買うのは経済的に裕福である人たちやオシャレな人たちという意識をこれまで持っていました。

けれども消費者である私たちが安さを求める代償として動物たちが残酷に扱われる。この事実は想像以上のもので、目を覆いたくなるものでした。

 

「買うということは、その商品ができあがるまでの全てのプロセスを支持するということ」

 

吉川さんのこの意見にはっとさせられました。

 

私はベジタリアンではありません。

以前のように毎日ではなくなったけど、お肉やお魚を食べる日もまだあります。

なぜならお肉を一切食べないという選択をできるほど十分な知識をまだ持ち合わせていないからです。

けれどもだからこそ、きちんと勉強をして自分の思いと行動が一致するようにするべきだと思っています。

 

私は自分に世の中の何かを変える力があるとは思っていません。

人にはそれぞれ異なる価値観や意見があって当然です。

だから私は特定の考えをだれかに押し付けたいとは思わないし、どのような意見を持つかは個人の自由だと考えます。

 

だけど・・・・

 

猫としてこの世に生まれてきたジジは、人間と同じように思いやりがあって、繊細な心で私たち家族のことを大切に想ってくれました。もし彼が怖い思いや、痛い思いをしそうであれば、私は全力で駆けつけて彼を助けようとしたと思うのです。

 

だからこそ願わずにはいられません。この青い惑星・地球で生まれるたくさんの命が安全で幸せな生涯を送れますようにと。

 

”クリスタルメソッド”という花を摘まずに、晶洞石を使った方法でエッセンスを作ることが有名なコルテPHIエッセンスには、動物の波動により作られたエッセンスがあります。

 

馬のエッセンスは何か特別な自分の観点や考えにより、自らが束縛されていると感じている人をサポートしてくれます。柔軟性を持って、拡張・自由といった気持ちをどんどん運んでくるエッセンスです。*①

 

牛のエッセンスは、自分の進むべきコースにおいて、まだ自信が持てないと不安に思う人のためのエッセンスです。運命と人生を喜んで受け入れることやすべては大丈夫だと信じることを容易にしてくれます。*②

 

羊のエッセンスは常に我が道を行きたがる人たちが、もっと共感することを呼び覚ますことを助けてくれるエッセンスです。*③

 


引用:

*① 2021年 ネイチャーワールド株式会社

「大自然からの贈り物 こころと体を癒す世界のフラワーエッセンス」 129ページ

*② 2021年 ネイチャーワールド株式会社

「大自然からの贈り物 こころと体を癒す世界のフラワーエッセンス」 129ページ

*③ 2021年 ネイチャーワールド株式会社

「大自然からの贈り物 こころと体を癒す世界のフラワーエッセンス」 129ページ

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