夢を実現させる
私が中学二年生の夏休みのことでした。
人生で初めての海外旅行に行くことになりました。
行き先はハワイのオアフ島です。
仕事で先にハワイに行っている父と現地で合流することになっていました。
海外旅行に慣れているならいざ知らず、母も私も弟もそれまで飛行機に乗ったことすらなかったため、旅行の楽しみよりも緊張の方が上回っていたのを覚えています。
それでも私と弟はただ母について行けば良いだけだったので気楽なものでした。
スマホもインターネットもない時代で、英語も話せないのに子供二人を連れて海外に行くことになった母はきっと心細かっただろうと思います。
そんな私たちの緊張や不安とは裏腹に、旅は順調に進み、無事にハワイで父と合流することができました。
初めての海外旅行はそれはそれは楽しいものでした。
ハワイに到着するまでの緊張感などまるでなかったかのように、私たちはビーチやショッピングや観光をひたすら楽しんでいました。
ハワイでの滞在も最終日に近づいてきたある日、ポリネシア文化センターに行くことになりました。
そこはポリネシアの歴史と文化を体験できるテーマパークでした。
この園内を10名ほどのグループに分かれて見て回ることになり、私たち家族が入ったグループは他の人たちも全員日本の方で、日本人のツアーガイドの方が案内してくれることになりました。
このツアーガイドの方のことを、私は綺麗なお姉さんだなと思って見ていました。
当時の私よりも年上の方だったので、自分から話しかける勇気はありませんでしたが、私の両親との会話からそのお姉さんが日本の田舎で育ち、英語とは無縁の生活をしてたけれど今はハワイ大学で勉強していて、ツアーガイドのアルバイトをしているということが分かりました。
どうやってアメリカの大学に入学するんだろうとぼんやり考えながら、葉っぱを使って小物を作る方法を習っていた時でした。
カヌーに乗った現地のスタッフの方が、その日本人のお姉さんに英語で何か話しかけました。
お姉さんはスラスラと流暢な英語で何かを話し、笑って、現地のスタッフの方はどこかへ行ってしまいました。
あの時の光景は今でも鮮明に覚えています。
日本人でもアメリカの人みたいに英語を話せるようになるの?
英語を話せると国籍を超えて、対等にコミュニケーションを取ることができるようになるんだ!
それは田んぼ道を40分かけて学校に通う、これといって特別なことは何もない私の人生に突然訪れた可能性という衝撃でした。
私もあのお姉さんのようになろう。
私にもできるかもしれない。
それは「夢」ではなくて、私が初めて抱いた強い目標でした。
それから何年か経ち、両親のサポートのおかげで、自分が初めて抱いた目標を達成することができました。
頑張ればできる。できないのは努力が足りないから。そう信じていました。
その後、就職活動をする年齢になり、どうしてもなりたい職業がありました。
この時も、どんなに難しくても頑張ればできると信じていました。
けれども受け取るのは、不合格の通知ばかりでした。
どんなに努力をしても手が届かなかった夢でした。
十分に準備をしたと思っていても、まだ足りなくて。
力不足・能力不足で、まわりを見れば自分よりも才能にあふれた人、能力に長けている人たちでいっぱいでした。
何者でもないわたし。
自分が持っているわずかなものでさえ、くだらないもののように感じられて後ろに隠したくなりました。
「頑張ればできるんじゃない?」
中学生の頃の私が希望に満ちた目を向けてくることがありました。
「頑張ったってできない事だってあるんだよ」
そう答えながらも、胸の中は悲しみでいっぱいでした。
職業は夢ではありません。
職業の先にある実現したいことが夢で、職業はそれを達成するための手段でしかありません。
J.Y.Park
なりたい職業に就けず、たくさんの不合格通知に埋もれて自分自身にがっかりしていたあの頃、この言葉に出会えていれば、私はきっと目指すものを変えていたと思います。
なりたい職業に就くことだけがすべてで、その先にある実現したいことが何か自分でもきちんと分かっていなかったから。
だから私は「不合格」でした。
多くの人が死の直前に「もっと全力を尽くして生きればよかった」という後悔の念を抱くそうです。
けれども私は、人は誰もがその時の自分ができるベストを尽くして生きていると思います。
もし後悔の念を抱くことがあるとすれば、心に生まれた夢を大切に育むことができなかったことについてかもしれません。
マニフェストユアドリーム(フローラコロナ)は「あなたの夢を実現させる」という意味を持つエッセンスです。目標や夢を実現するための力強い波動を持っています。このエッセンスを取り入れることで、自分の魂が望んでいることが明らかになり、夢に対する引き寄せが強まります。