強みや才能を見つけるには
ツイッターを開き、いつもの顔ぶれのつぶやきを流し見する。
パンケーキと空と室内犬の写真と、海外で大地震があったことと日本の政治批判とブラック企業に対する問題提起と、アイドルの熱愛発覚とドラマの感想とお笑い芸人の下ネタと、眠いとかおなかがすいたとか頭が痛いとかいう個人的な体調報告と、べつに知りたくもないショップの広告がびっちり並んでいた。
スクロールさせると、するするといくらでも流れる。
これが世界だ、と僕は思う。
絵本に出てくるようなパンケーキとくだらない下ネタと何万人も死者が出た天災が、同じ箱の中で隣り合っている。
僕が何もしなくても、世界は動いている。
僕が何も書き込まなくても、コンテンツを読むだけで一日が終わる。
僕が何かを考えたり生み出したりする必要なんて、どこにもない。
やりたいことがなくったってそれなりに楽しく暮らせるんだから、必死になって仕事の意義とか目標とか見つけなくたっていいような気がする。
ずっとそう思っていた。
だけど……。*1
「世界最高齢のプログラマ―誕生」とCNNで報じられたことがある、若宮正子さんのインタビュー記事を何年か前に読んだことがあります。
若宮さんは81歳のときにプログラミング言語「Swift」をゼロから学び、ひな壇に男雛や女雛を並べるゲームアプリ「hinadan」を開発しました。
60歳までは銀行に勤務し、定年前に人生初のパソコンを購入。
そして、会社が休みの週末に自力でパソコンの接続を試み、三か月後にやっと繋ぐことができたそうです。*2
この記事を読んで、尊敬の念を覚えると同時に、きっと彼女だからできた事なのだろうと思いました。
もし私が彼女と同じ立場であれば、よく分からない機械の接続作業など難しすぎて、三カ月どころか三日で音を上げ「どうせ私には無理ですよ」といじけていたはずです。
さらに、80歳からプログラミングを学び、アプリの開発をするという偉業を成し遂げたのは、彼女が最初から特別な人だったからだと思いました。
誰にも彼にもできるようなことではないと思ったのです。
こういう人って、初めからなにかスペシャルなんだろうな。
神様に選ばれた人なんだ、きっと。
神様って、どういう基準で人を選んでるんだろう。
やっぱり、この世に生まれる前から成功する人は成功するように決めてるのかな。
だったら最初から、そう教えてくれればいいのに。
おまえなんか選ばないから気楽にやれよって。*3
特別な才能や秀でた能力を持っていたり、何らかの形で『成功』したりしている人たちを目の当たりにするたびに、あの人たちは私とは違うと思っていました。
生まれながらにして与えられているものが私とは違う。
だから私が同じようにできなくても仕方のないことなのだと。
いくらそう開き直ってみたとしても、自分の心の中をのぞいてみると、どうして私もあのように出来ないのかと自身の不甲斐のなさを嘆いていました。
表向きは平気なふりをしていても、心の中にやり場のない思いを抱えているから、頭の中で自分に言い聞かせている言葉と本当の気持ちがちぐはぐだったのでしょう。
けれどもある時、「あの人はいいな。この人もすごいな」と、人が持っているものばかりに目を向けて羨ましがるばかりで、自分が持っているものは何なのか真剣に探してみようと一度もしていないことに気がつきました。
自分の強みや才能を見つけるには、憧れている人を5人選び、その人たちのどこが好きで、どのようなところに憧れているのか書き出すといいそうです。
そうやって掘り下げて出てきた言葉が自分の強みや才能をあらわしていると言います。*4
このことを知ったときに、子どもの頃に学校で習ったあぶり絵のようだと思いました。
何も描かれていないように見える紙に熱を加えると、事前にレモン汁で描いた絵が浮き出てきます。
いくらこの白紙に絵が描かれていると知っていても、実際に目で見て確かめることができれば納得の度合いが大きく変わるものです。
いっけん空っぽのように見える自分自身に目を向け、心を向けることであぶり出される言葉たち。
これらの言葉によって映し出される強みや才能は、本当は最初から自分の中にあったものです。
けれども、文字にして言葉にして、実際に自分の目で確かめることで、やっとその存在を認めることができる。
私たちは時として自分自身に向ける目があまりにも厳しくなってしまうものだから、こうやって積極的に自分の良いところを見つけていかなければいけないのかもしれません。
なんだってそうだけど、人生におけるはじめの二十年でできなかったからといって、自分にはできないと決めつけてしまうのはあまりにも早すぎるわ。
五年後にはなんの苦もなくできるようになっているかもしれないもの。
でも多くの人は、昨日までできなかったことを理由に、自分は一生それができない人間だと決めつけてしまうの。
昨日までできなかったという事実が、今日もできないという理由になんかならないのよ。*5
自分の能力に自信がなく、やる前からできないと思って、あきらめてしまっているような人をサポートします。
自分の可能性を信じて行動できるように助け、目標達成に向けて最善を尽くすように、さまざまなことに挑戦するように導いてくれます。*6
バターカップ(FESフラワーエッセンス)
自分を過少評価したり、自信をなくしている人に。
内面の光や個性を認めることができるようにしてくれます。*7
引用:
*1 2020年 株式会社宝島 青山美智子 『猫のお告げは樹の下で』位置No.1099/3703
*3 2020年 株式会社宝島 青山美智子 『猫のお告げは樹の下で』位置No.2622/3707
*5 2012年 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 喜多川泰 『君と会えたから…… The Goddess of Victory』ページ108/184
*6 2010年 株式会社河出書房新社 中村裕恵 『医師が教えるフラワーエッセンスバイブル』165ページ
*7 2014年 株式会社実業之日本社 『ブルーガイド・グラフィック giorni別冊 フラワーエッセンスBOOK』50ページ
参考:
*2 2018年 株式会社 主婦と生活社 『私のカントリー別冊 時間を、整える』36~39ページ
*4 Instagram: @hisuikotaro